タスマニアエミュー/クロエミュー

タスマニアエミュー/クロエミュー

  • クロエミュー

    エミューと呼ばれる鳥の仲間には種としてのエミューとクロエミューの2種類がある、絶滅したエミューはタスマニア産亜種のタスマニアエミューと別種のクロエミューである。

    オーストラリアダチョウの別名を持つエミューは世界で2番目に背の高い鳥で、乾燥地帯でも棲息できる点がダチョウとも共通している、エミーは色や形でオスメスを見分けるのは難しいが、エミューはメスのほうがやや大きく鳴き声でも区別できる。オスは喉で声を出すが、メスは喉の所にある器官に繋がっている大きな気嚢を使って音を出す。
    羽毛は鳥の中でも荒い、これは羽毛の構造が他の鳥と違っているのが原因で普通の鳥は羽軸の根元の近くに後羽と呼ばれる極小の柔らかい羽が生えているが、エミューはこれが大きく1本の羽軸から2本の羽が生えているような状態である、しかも羽軸の両側には羽枝がびっしりと並んでいるが、普通の鳥では羽枝同士が繋がっている、それで羽毛は滑らかな1枚の羽になっているのだが、エミューは羽枝が密集しておらずバラバラになっているのである。この羽毛の下に退化した小さい羽が隠れている、ダチョウやキーウィなど飛べない鳥の羽毛は皆これと同じである、興味深いのはニワトリやカモは普通の羽毛なのだがヒヨコはエミューと同じ羽毛を持っている。走鳥類は進化の過程で幼態の持つ特徴が消えないまま大人になった鳥類と考えられる。

    エミューは平地の砂漠地帯から木のまばらに生えた林に住んでいる、普段は数羽の群れで活動し水や食料を求めて移動して生活している、通常は草や昆虫を食べているが冬になると昆虫を主食にする、あるエミューの胃袋を調べると農作物に悪影響とされる昆虫が3000匹も入っていたという。しかし乾季になると畑に入り農作物を食べて家畜用の水を飲んでしまうため嫌われていた。
    長距離を歩くのに適するが、走るのも速く時速65kmで走れたという、秋になると草を集めて直径100cm程の巣を作る、メスはそこに10個ほどの卵を産むが抱卵や子育てはオスに任せて立ち去ってしまう。抱卵器期間58日から61日で雛は卵から孵ると巣を出て父親と1年半ほどに行動を共にする。

    エミューは農作物を荒らし貴重な水を飲んでしまう事から発見次第射殺されてきた、人間は昔からエミューを利用してきた、肉は食用となり1羽のエミューから18リットルの油が取れ灯油や薬用に使われていた、オーストラリアに訪れるアザラシのハンターや現地人は卵を割って容器に入れて一晩置いておくと油が浮いてくるのでそれをすくい、残りを食用として食べた、卵は1つで700gあるので家族全員分の食事を賄えた、
    広大なオーストラリア大陸では健在だが、タスマニアやキング島では徹底的に駆除されて絶滅した。標本は数点が残っている。

    コラム:エミュー戦争(PDF)


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