ギルバートネズミカンガルー

ギルバートネズミカンガルー

  • ギルバートネズミカンガルー地上棲で小川や沼の岸の、よく繋がった草地や低木林内に潜んでおり、特に低湿地を好む傾向がある、彼らは単独性だが茂みの中では普通クアッカワラビーと一緒にいるのが観察されている、非常に臆病で、ちょっとした物音にも驚き、朽ち木の穴、石や倒木の下などに逃げ込む、普通夜行性で食べ物を採りに開けた草地へ出かけていく、ゆっくり移動するときは前足も使うが、急ぐときにはカンガルーのように後ろ足だけで跳ねて進む、一跳び約30cmから40cmである、隠れ場から採食地までは獣道が出きており、獣道の途中が枝分かれしたりして別の採食地へと向かっていることが多い、一頭の行動圏は250m2から4000m2である、採食地は1頭が1箇所を独占するのではなく、数頭の固体が共有していると思われる、主食は草のほかにキノコなども食べることが観察されている、一生涯、同じ場所に定住するのではなく、3ヶ月くらいで縄張りを変えるといったことや放牧的といえる生活を送っているとの報告がある、繁殖期になると巣を作り、そこに枯れ草を敷く、尾を物に巻きつけることができ、巣材などは尾で巻いて運ぶのだ、しかしネズミカンガルーのおなかには育児嚢があるから、巣をどのように使うのだろうか、1産1子だから、それほど巣が重要とは思えない、だがそれはまだ良く分かっていない。
    オーストラリア本土では、ウエスタン・オーストラリア州の南部に分布したようである、1840年にギルバートが同州のキング・ジョージ海峡付近で採集したが、それ以後はどこからも記録にない。
    1904年から1907年にかけてショートリッジが採集を試みたが、本主を発見することは出来なかった、彼は1910年にウエスタンオーストラリア州南西部のマーガレット川地方の洞窟から、本種の古い頭骨を見つけた、マーガレット川周辺では原住民がウラルクと呼んでいるのが恐らく本種のことらしく、彼らによると以前には多数見かけたが、今はいなくなったとのことである。
    ただ本種はクアッカワラビーと共に生活し、しかも良く似ているので見過ごされている恐れはある、こんなことから彼らはまだ生存しているかもしれない、特にリーウィン岬付近には、少数が残存しているかも知れないという人もいた。
    その後、1937年にはグラウエルトが「本種はオーストラリア本土では明らかに絶滅した」と断言している、ただキツネが移入されなかったタスマニアでは今も普通に見られるそうである。


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